就学、履修

大学はそれまでの高校とは勉強の進め方や学び方が大きく変わります。
高校までの勉強は問題の解答や解説が明解であるのに対し、大学では当たり前のことですがより専門的なものになります。また問われることやその回答、解説ともに抽象的なものが多くなりますので、具体的ではなく曖昧な表現を理解するのが苦手という特徴がある発達障害の学生は、就学がスムーズにおこなえずにつまずいてしまうことがあります。

一般教養科目であれば高校までの学力の惰性でなんとかやれる場合もありますが、専門科目になるとそれまでには無かった問題の表現、例えば『〇〇について考察せよ』であるとか、『〇〇について論じなさい』といった形式の問いかけが出てくるために苦戦をします。実際、発達障害の学生からの「レポート課題が書けなくて困っています」といった相談はよくあります。
学ぶことの専門性と広さ、問われ方が高校から大学で大きく変化をすることによって発達障害学生の学生は困難を抱えることがあります。

また授業の履修に関しても高校と大学では大きく異なります。
高校までは時間割で授業が決められていますが、大学では履修をする授業を自分自身で選択をして大学へ届けなければなりません。それも『この学年の間に何単位を取得しなければいけない。だから計算をしてこのような履修届を出そう』であるとか、『自分の生活スケジュールを考慮して、授業の履修は何曜日の何時以降は入れてはだめだから気を付けよう』 などといった計画性が必要になります。計画性がない、計画を立てるのが苦手という特徴のある発達障害の学生の場合、ここでもつまずいてしまうことがあります。
時間配分で失敗をして朝と夜の授業を取ってしまう。興味のある科目だけを取り、進級に必要な科目を取っていない。適切な授業数が分からずに無理に沢山の授業を入れてしまうなどなど…。

『大学入試をパスして入学をしたのだから力はあるだろう』そのように考える親御さんはいらっしゃいますが、大学での勉強の質は高校までの勉強や大学受験とは異なります。それまでの机に座って一人でペーパーと向き合えばとりあえずできた勉強、マークシート中心の試験内容ではなくなり、かつその勉強に取り組む環境も自分自身で選択をしなければならないなど、それまでとはすべてが異なってきます。

大学では高校までにあった支援が少なくなるかわりに、逆に自主性が必要となることが増えます。大学の発達障害の学生に対する支援はまだまだ始まったばかり。パーフェクトではないというのが現実のところです。ですのでもし修学、履修に関して大学から何かしらの支援や助けを必要とする場合には、受け身ではなく自ら求めなければ受けられない場合が多いということを知っておいてください。