対人関係

『高校から大学へ』にも書きましたが、大学はそれまでの高校とは違い、クラス別けやクラス担当はいません。新学期になると自動的にメンバーが振り分けられてクラスが作られその中に所属をする。そしてそのクラス内を細かく様子を気づかい面倒をみてくれてる担任がいてくれる。このような高校にはあった環境が大学にはありません。

発達障害の学生からの話を聞くと、大学に入学をする以前から友人を作るのに難しさを感じてきた。基本的に一人で過ごしてきた。そういう方が多くいます。社会的コミュニケーションを苦手とする障害特性のある発達障害の学生の場合それはある意味でしかたがないのですが、それが大学という環境になるとさらに顕著になります。

発達障害の学生が友人を作ることができずに学内で一人で過ごすこと。そのような弊害として例えば授業や勉強面で分からないことがあった場合に、友人に聞くであるとか授業で書いたノートを共有するであるとか、通常の大学生ではあるような友人とのコミュニティを築くことができないということがあります。そうすると勉強面で分からないことがあったとしても一人で解決をできずに分からないことを放置してしまう。または友人と行動をしないので授業の教室変更があっても気づかずに授業が無くなったと勘違いをして帰宅してしまう。このような些細なことから学業に影響が出てきて単位を落としてしまう。そのようなことが実際にあります。

また他者とのコミュニケーションを取るのが苦手、相手の気持ちを汲むことができない。そのような障害特性がある学生の場合、グループワークのような複数人で進める授業で本人には悪気がないにせよ、相手に対して否定的であったり失礼なことをストレートに言って討論になってしまうなど、他者とのコミュニケーション面でトラブルを起こしてしまうということもあります。
大学では友人という横のつながりや学生同士のコミュニティがあって学業や学生生活がスムーズに進んだりもします。それがない発達障害の学生の場合には学業や学生生活で困難を感じてしまったり、うまく進まないという場面が増えてしまうことがあるのです。

学内で一人で過ごすということ。それだけを切り取ってみると寂しいことのように感じてしまうかもしれませんが、実はその一方で個々の特性によってはその方が精神的に安定をするという場合もあったりもします。
個人的な意見になりますが、発達障害の中でもASD(自閉症スペクトラム障害)の学生の場合には一人で過ごしている時の方が精神的に落ち着き安定をしている方が多いように感じます。もちろんそうすると大学という環境では先ほどにも書いたような学業や学生活面での困難は起きやすくなってしまうのですが、一方で精神面は安定をするという点を考えれば無理に集団に馴染ませようとするよりは一人で過ごさせることも時に大事なのではないかと思います。そのうえでこのような発達障害の学生に対しては親御さんや大学関係者などが本人の困りごとに気がつきサポートをおこなうことが求められます。
このような一人でいることを望むような学生の場合、同世代である学生とはうまく話したりコミュニケーションを取れない方が多いですが、昔から学校の先生や親御さんを頼ってきたということもあってか、大学職員や教員、心理カウンセラーといった自分よりも年上、目上の方に対しては意思の疎通が良かったりコミュニケーションが取りやすくなる、そのような方が多い印象です。ご家族や大学関係者といった理解者に囲まれている中では落ちついて過ごせるようですから、その意味でもご家族、大学の両者からのサポートはとても大事なことといえます。