障害を隠しての就活はOK?

たまにですが、『発達障害なのですが、それを隠して普通に就活をしてもいいのでしょうか?』と質問を受けることがあります。そのわけとしては、発達障害であることで就職が不利になるのではないか。発達障害であることをできることならふせておきたい。そのような理由からのようです。

実際のところ、発達障害であることを学生本人やその親御さんが理解しているにもかかわらず、発達障害であることや障害特性をふせて通常の就活をおこなっているという例はなくはありません。(なかにはそもそも発達障害であることに気がついていないという場合もありますが…)
それで無事に就職ができているのかというと、実のところ内定を獲得し就職をしていったという学生もそれなりにいます。障害の特性や程度、適性によってはそれをふせて通常の就活をしてもどこかしらの企業から内定を獲得できた、ということはなくはないのです。まあ、就活で内定を獲得するというのは確率論でもあるので数をこなせばどこかしらに“引っかかる”可能性があるわけですからね。

でもこのような例があるからといって発達障害を隠して数を打てばなんとかなるだろう。入社をしてしまえばいい。とは思っていただきたくはありません。それはこの後でもお話をしますが就職後に本人が大変な思いをすることにつながるからです。
そしてここでキミタメをご覧になっている学生さんやその親御さんには今一度、就活をして就職をするということの意味についても考えていただきたいのです。

就活に挑む発達障害やその疑いのある学生さんをみていていつも感じるのは「自分は社会に出ていけるのか?ちゃんと就職ができるのか?」という焦りの気持ちからとにかく内定を取ることだけに必死になっている方が多いということです。そして親御さんにしても「大学卒業後の進路がとりあえず決まりさえすれば安心だから」と、学生と同じような “内定さえもらえば” という気持ちでいらっしゃいます。そうすると内定を取ることだけが就活の目的となってしまったり、“就職=ゴール”というような勘違いが生まれます。
でも本当に大切なのはそうではありません。発達障害の学生が目指すべき本当のゴールは、“自身の適性に合った職場を見つけること。そしてそこで自身の能力を発揮して自分らしく生きていくということ” です。
そこを今一度、発達障害の学生やその親御さんには考えていただきたいです。そうすると冒頭に書いたような『発達障害なのですが、それを隠して普通に就活をしてもいいのでしょうか?』というような問いはナンセンスであることがお分かりになるかと思います。

発達障害の学生が自身の特性に関して自覚や理解がないままに就労の現場に就くこと、または障害特性をふせて通常に働こうとすること。それは後になって本人が辛い思いをすることにつながる恐れがあります。
次では企業での就労現場で実際にみてきた例をお話したいと思います。